初めましての方、Twitterからの方、改めて自己紹介的な文章をつらつらと書いてみます。
※1人でも多くの口唇口蓋裂などの先天性疾患を持って生まれた子の保護者、その当事者に届くことを祈って…
タイトルの Picture は大好きな曲から拝借しました。
pay money to my pain というバンドの曲です。
painがあって、それを曲として表現することにもpainが伴う。「俺の痛みに金を払え」ってその通りだなって思う、カッコイイバンドです。良かったら聴いてみてください。
私は、口唇口蓋裂で産まれました。片側の口唇は丸まり、口蓋は完全になかった状態です。へその緒も首に巻きついていて、生きているのが不思議だったと思います。
口唇裂は三口とも言われたりします。人ではない異形として生まれ、そもそも業とも言える痛みを抱えて生きてきました(詳しくは↓)。
亡くなった父はアルコール依存でお世辞にもいい父親ではありませんでした。よくありがちな、昭和のちゃぶ台返し的な家庭で育ち、痛みはどんどんたまり、それはいつしか恨みになっていました。ただ、世界は広いので、人の優しさにもたくさん触れました。
モンテッソーリ教育を軸にしたキリスト教の幼稚園に通っていました。色々な友達がいました。今で言う自閉、知的に遅れているという友達もいたし、私が異形でもいじめられる雰囲気はありませんでした。
弟が生まれるからと、年長の時には電車で1人で通園していたことをよく覚えています。寂しかったというより、毎日冒険で楽しかった記憶があります。私の主体性はここから育っていたんじゃないかな?多様性を受け入れる受容性も。
先生から「手は人をたたくためではない、足は人を蹴るためのものではない。助けるためにある」
とよく怒られたのを覚えています。やんちゃだったので、みんなと友達だけど、よくケンカをしていました。家で感じる怒りが攻撃としていて出ていたんだろうと回想します。でもそれが許されることではないことにも気づいていました。
キリスト教の幼稚園からお墓が見える不思議なところで…
友達に天国と地獄の話をしたのを覚えています。自分はそんなに成熟してる方ではなかったけど、子どもなりにめちゃくちゃ色々と、むしろ今より深いことを考えていたんじゃないかなって感じます。
小3あたりで初めて見た目でいじめられるようになりました。アトピー性皮膚炎もひどかったので、差別や偏見に晒され続けました。ボーイッシュなこともいじられる対象でした。
でも、私はそこに怒りは感じなかった。なんでだろう?って純粋に思ってたし、その頃にはかなり弁もたっていたのであんま負けてなかったのもあるのかもしれない…
こんな風に…色々な気持ちを抱いて、自分はなんだか日本じゃ居場所がないのかもしれないと大学生の頃には感じていました。まるで異邦人のようだった。
高校時代に形成手術も終わり、見た目では口唇口蓋裂とは分からない。ただ、それでも人と違うことには変わりない。考え方も若かったこともあって、今より尖ってて、傷つきや痛みを怒りとして抱き続けていたように思います。
「そんな気持ちでいっぱいな自分が臨床心理士になっていいのか?」、「そんな資格があるのか?」とその当時はすごく思い悩んでいました。
また進路的な意味で、中学受験から1回もレールから外れたことがなくそこへの閉塞感も自分を苦しめていました。大学院の進学をするふりをして、フリーターになったのです。
大学卒業後の夏、父が長年の闘病の末、癌で亡くなりました。
その後、一年も経たない間に語学留学をし、日本とは違う世界を見てきました(詳しくは↓)
異国で感じたことは、私はどこにいても私でしかないということです。業からは逃れられないし、自分がやりたいと思うことに背を向けることもできない人間なんだなっていうことを思い知りました。
そんなたくさんのPictureで私の人生という物語は紡がれています。ここでは語りつくせません。ただ、それを隠して自分の語ることはできないし、他者と繋がることもできないと考えています。
そして、みなさんにもそういったPictureがいくつもあって、それを教えてもらえることがどんなに尊いことなのかを、臨床家として感じる日々です。
臨床家として、自分には正直でいたい。それは相手に誠実であることと同義であるとういうのが私の信念です。臨床家になったからといって、自分の痛みが消えるわけではないので、9年目?になる個人分析で、自分との対話を続けています。
コロナ禍で色々と思うところがあり、これから臨床家として独立していく(開業する)ことにチャレンジして、新しい物語の1ページを創り出していきたいという決意を書いて、筆を置きたいと思います。
こんなに自己開示するのかよ、変な臨床家がいるもんだなーと思われたら書いた甲斐があります(笑)
最後まで読んでいただいてありがとうございました。
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